為替敏感株と、為替のアノマリー
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為替の動きに連動しやすい株・銘柄というのもある。
為替というのは、外国為替相場の略で、ドルやユーロなどの通貨の相場だ。
いわゆる、「ドル円」とか「ユーロ円」と言うヤツだね。
為替に敏感に反応する株・銘柄のことを、特に「為替敏感株」なんて呼ぶのだが、自動車メーカーや電機メーカーなどが、為替敏感株になる。
これらの企業は、海外で大きな売り上げを上げているので、為替が1円動くだけで、利益が数億円も変わったりする。
なので株価も為替に敏感に反応するというわけだ。
日本の為替敏感株は、基本的にドル円の為替レートに反応する事が多い。
というのも海外との貿易は、基本的にドル建てで行われているからだ。
ドルで資源を買い入れて、ドルで輸出する。
石油や石炭・ガスなど天然資源も、ドルで売買する。
もちろん日本の輸出企業にも色々あって、ヨーロッパで儲けている企業では、ユーロ円にも反応するが、ドル建ての貿易が大きいので、マイナーケースだろう。
となると、為替のアノマリーも、株価の行方を見るのに参考になるはず。
ということで、為替のアノマリーを調べてみた。
ドル円は、1月のレートがその年の高値か安値になりやすい
為替相場のアノマリーにも色々あるが、1月はまず、ドル円に関するアノマリーがある。
というのもドル円は、1月のレートが、その年の高値か安値になりやすいのだ。
ドルに関しては、アメリカの多くの企業が、11月決算か12月決算なので、ドル高になりやすい。
というのも11月12月は、アメリカの企業が決算のために、利益をドルに替える動きが活発になるからだ。
そして年末年始は閑散取引になるので動きは少ないのだが、1月になると、ドル円の為替レートは大きく動きやすい。
これは1月が欧米の多くの企業の年度初めに当たるので、新しく海外投資をするために外貨を買うからだと考えられている。
この動きはたいてい、節分の頃まで続く。
この為替のアノマリーを、チャートで確かめてみよう。
1月の為替レートは、その年の高値か底値になりやすい
10年分のドル円の為替レートを図にしてみた。
果たして1月の為替レートが、その年の高値か安値になるのか?チャートで確認してみると、最高値とか最安値にはならないが、確かに高値か安値になっている感じはするね。
こういう傾向が出る原因は恐らく、アメリカに投資が向くか、アメリカ以外に投資が向くかというトレンドがあるからだろう。
アメリカに投資が集まればドルの需要が高まるからドル高になり、アメリカ以外に投資が向けば、ドル安方向にトレンドができる。