信用取引で大損するパターン(2)値上がりしている株を空売り
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株価のボラ(変動幅)が大きい銘柄は、信用取引で売買すると危ない。
株をめいっぱい買い建てして、その株がドーンと値下がりすると、あっと言う間に保証金維持率が下がって、追い証を求められてしまう。
そこで追い証を入れられる余裕があれば良いが、資金的余裕がなければ、建玉を整理しないといけない。
まだ株価が回復する見込みのある現物株なら、様子見で、まだまだ損切りしなくて良いタイミングなのに、信用取引では、そこで損切りしないといけなくなる。
つまり信用取引では、損益管理が必要なので、細かく損切りを繰り返さないといけなくって、これが積み重なると大きく資産を減らしてしまうわけだ。
このあたりが、現物取引と信用取引の違いで、なかなか難しいところってことだな。
そして、信用取引で大損するパターンのその2は、値上がりしている株を、空売りしてしまうことだ。
空売りというのは、株価が下がると見込んで売り建てするわけだから、株価が下落傾向の時に大きなチャンスがある。
ところが値上がりしてる株を空売りするという方法もあって、グングン株価が上がっている株のピークで株を売ると儲かる。
こういうグングン株価が上がっている場合は、たいてい上がりすぎでどこかで大きく下がるので、そこを狙うわけだ。
ところがこれは大ばくちで、失敗すると大損してしまう。
値下がりし始めてから空売りすれば良いんだけど、その頃には売り禁になっていることもあるので、早めに売りに入ろうとして失敗するわけやね。
「貸株注意喚起」がでると、次は「売り禁」になって空売りできなくなるので、早めに空売りしようとして大損するわけだ。
信用取引で大損するパターン(2)貸株注意喚起で株が暴騰
信用取引で注意が必要な用語の一つに、「貸株注意喚起」というのがある。
貸株注意喚起というのは、株を貸してくれる日証金からでる警告で、「そろそろ貸せる株がなくなりそうです」という意味だ。
貸せる株がなくなってくると、通常は逆日歩(ぎゃくひぶ)というのがついて、品貸し料(株を借りる料金)が上乗せされる。
たいていは1株当たり1円くらいのもんだが、1万株空売りしていたら、毎日1万円ずつ費用がかさんでいく。
そこで空売りしている人は、株を買い戻して(買い埋め)決済しはじめて、買いが増えて株価が上がっていく。
逆日歩がついたら、株価が上がるというのはこういう仕組みだ。
ところが株価が急上昇していると、チャンスだとみて売りに入る人も増える。
つまり株価の上昇がそろそろピークを迎え、2~3日後には下がり始めると予想するわけだ。
そうして株を借りる人がさらに増えるので、貸株注意喚起というのが日証金から出る。
で、たいていの場合、貸株注意喚起がでた翌日には、「売り禁」になって、新規の貸株の申し込みが停止されてしまう。
売り禁になってさらに株価が上がると、売り方は含み損が膨らんでしまうので、買い戻しをするわけだが、それでまた株価が上がると言うことが起こる。
これが「踏み上げ相場」と呼ばれるモノで、空売りしていた人の投げ買い・処分買いでどんどん株価が上がるわけだ。
踏み上げ相場というのは、空売り側が大損するパターンであり、空売りしようとしてストップ高を食らったらホントに大損だ。
上昇銘柄で貸株注意喚起のパターン
※この銘柄では、日証金が新たに企業オーナーから株を借り入れて貸株数の枠が増え、逆日歩が2.4から0.2に突然下がって、株価の上昇が止まった。