日証金速報とは?
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日証金(にっしょうきん)の話が出たついでに、日証金速報や貸借倍率にもちょっと触れておこう。
日証金速報とは、日証金という証券金融会社の毎日の速報データのことだ。
日証金とは信用取引の際にお金を融資したり株を貸し出してくれる会社のことなのだが、銘柄ごとに、どれだけ貸し出したかのデータを出している。
たとえばある銘柄の11月18日の速報値がこれだ。
「貸株」というのが貸し出した株数、「融資」というのがその株を買うためにお金を貸した件数になる。
このデータだと、この日に新しく空売りされたのが366株。
新たに買建てされたのが1596株という事になる。
一方、売りポジションが解消された(買い戻された)のが558株。
買いポジションが解消された(売り戻された)のが117株になる。
この日は株価が上昇したので、空売りしていた人が慌てて買い戻し、上がると踏んで買建てした人が多かったと言うことだ。
一方「貸借倍率」の欄を見ると0.99になっているが、これは売りと買いが拮抗しているって事だ。
貸借倍率=融資 ÷ 貸し株 と言う計算になるので、
- 貸借倍率が1より大きいと、買建てが多い
- 貸借倍率が1より小さいと、売建てが多い
この貸借倍率が偏ると、株価に大きな影響を与える原因となる。
信用取引残高から株価の動きを予想する方法
信用取引残高とは、信用取引での買建てと売建ての数の残高のことだ。
これは一週間に一度、週の初めに先週末時点での残高を東証がとりまとめて、その週の第2営業日の大引け後に発表する。
信用取引のための金融を請け負う会社は、大証金など、日証金以外にもあるので、信用取引残高合計を東証がまとめているわけだ。
★これはつまり前週末時点のデータを示している。
で、信用取引残高から何が分かるかというと、「ある株を売りたい人」と「ある株を買いたい人」がどれくらいいるのかってことだ。
信用取引きは、原則に半年後までに反対売買を行わないといけない。
つまり買い建てた人は売らないといけないし、売り建てた人は買い戻さないといけない。
もちろん買建ての場合は、現引き(げんびき)と言って、買建てた株を現金で買って現物株化することもできるのだが、そう言うことをする人は少数派だろう。
返済期限が迫ってきたが、このまま持ち続けたいという人は、そう言うことをするかも知れないが。
ということで信用売買残高は反対売買を行う予備軍と言うことだ。
で、何が起こるかというと、
- 買建て残高が増えると、株は売られて株価は低迷しやすい
- 売建て残高が増えると、株は買われて株価が上昇しやすい
たとえば半年前、高値だった株が今低迷していて、もし仮に買建て残高がかなり積み上がっていたら、返済期限が近づくにつれて投げ売りが出てくるので、いくら良い材料が出ても株価はなかなか上がらないと言うことが信用残高によって起こるわけだ。