現物株でも儲けが出せないのに、信用取引で儲けられるわけがない。
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信用取引で大損する話は、どれもこれも実際に体験した話だ。
株の本などでは、買い残や売り残で株価が大きく動くと言う事が載っているが、実際に体験しないと感覚がわからない。
なのでいろいろ信用取引をやってみたが、いろんな大損パターンで50万円くらい損して、保証金もままならなくなってしまって撤退した。
今から思えば、なんちゅうアホなことをやったんだろうと思うし、当時、どういう判断でこういうアホな売買をやったのか、不思議だし謎だけど、大金を失ってしまったのは事実だ。
そこで信用取引でなぜ大損したのか、色々考えてみた。
まず、現物株で儲けが出せなければ、信用取引で儲けようとしても無理って事だ。
信用取引での売買は、現物株の売買とはかなり違うが、買い建てに関しては、現物株と大差ない。
しかし現物株で確実に儲けられなければ、損切り貧乏になってしまって、損ばかり増えることになる。
信用取引は、手持ち資金の最大3倍まで株を売買できるというのが利点だが、逆に言うと、現物株で儲けが出せない投資家が信用取引したら、損が増えるスピードも最大3倍になってしまうだけってことだ。
なので儲からないからと思って信用取引を始めたら、逆に損が大きくなって、どんどん投資資金が減っていく羽目になる。
信用取引での売買は、かなり堅実性が求められるので、堅く利益を積み上げられるタイプの人の方が、実際は儲けを出しやすい仕組みなのかもしれない。
空売りを始めると、株に対する価値観や感覚が狂う
信用取引では、投資資金の最大3倍まで、株を買ったり売ったりすることができる。
なので現物株で確実に利益を積み重ねるような堅実な投資家には利益をもたらすかもしれない。
しかし現物株の売買で儲けられないから、信用取引で損を取り返そうと思っても、実際には損が3倍になるだけだから、投資資金を猛スピードで失うだけだ。
私の場合はデイトレで信用取引をやってしまったので、あっと言う間に投資資金を失ってしまったが、信用売買は、どちらかというと中長期的な投資向きなのかもしれない。
ジワジワ株価が上がっている株こそ信用取引向きで、ボラリティ(変動幅)が大きなデイトレ向き銘柄で、信用取引を始めるのは、かなり危ない。
一方、日経平均が下降トレンドだから、空売りで儲けようと考えて信用取引を始めるパターンもある。
下降トレンドで、上がっている株が少ないから、仕方なく空売りで儲けようと考えるわけだ。
この考え自体は悪くはないのだけれど、実はここにも大きな罠があった。
というのも、空売りを始めると、株に対する価値観や株価の感覚が大きく狂ってくるのだ。
買い建てだと、株価が上がれば儲かるが、売り建てだと、株価が上がると損をしてしまう。
なので空売りを始めると、株価が上がれば良いのか悪いのか、混乱が起きて判断が狂うのだ。
空売りで儲けようと思うと、下がる株を見つけて、下がるタイミングで売り建てしなければならない。
これは上がる株を探すとは逆の株探しだが、現物株の売買とは、真逆の事をやるわけだから、何を選んだら正しいのか、価値観が大混乱してしまう。
「上がり始めた株は買い、下がり始めた株は売り」という原則は同じだが、下がり始めた株をちゃんと売れる人でないと、空売りは難しい。