円高と、増資には気をつけろ
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株の初心者は、たいてい損をします。
というのも株を始める時は、世の中にどういう企業があるのか余りよく知らないので、知ってる会社の株を買いたくなるからです。
しかし素人でも知ってる大企業ほど、為替(ドル円の交換レート)の影響を受けます。
円高になると業績が落ちる事が多く、円高になる動きがあるだけで株価が下がります。
そう言う逆風の中でも株価が上がる企業もありますが、海外で稼いでいる企業は普通、株価の上昇が抑えられて、ジリ貧になります。
信用取引でこういう株を買建てると、半年後に大きな損切りすることになります。
また増資(ぞうし)で株価が下がることも多いです。
増資というのは、株式を新しく発行して資金を調達することですが、たいていの場合、1割から2割は株価が下がります。
銀行株など、何度増資したのか分からないくらい毎年のように増資があって、株価がそのたびに2割くらい下がります。
なので増資のうわさが立つだけで、株価は大きく下落します。
毎日のように5%とか8%とか下がります。
一週間は下がります。
特に株価が高値で揉み合いになり出したら、増資のうわさが出ているのかも知れません。
増資のうわさが出たらすぐ下がり始めます。
特に株主の権利確定日前後とか、決算発表の前後が危ないです。
こういうときに高値で揉み合いになっていたら、買うべきではないし、持っていれば売る準備をしておく方がいいです。
増資発表後の株狙いは儲かる?
企業が増資を発表すると、株価は1割から2割くらい一気に下がります。
増資というのはたいていの場合、前向きの投資なので良い材料なのですが、株式の希薄化と投資家の空売りによって、売られてしまうんです。
株式の希薄化(きはくか)というのは、一株当たりの利益が減るって事です。
増資をして新たな投資をすれば、何年か後には利益が上がるかも知れませんが、今すぐ利益が上がるわけではないのです。
その一方で株数は増資が実施された瞬間に数%増えてしまうので一株当たりの利益や配当額は下がってしまいます。
これが「希薄化」と呼ばれるものなんですね。
そして増資発表は、空売りチャンスです。
1割も2割も下がれば、空売りして買い戻せば大きな利益になります。
なのでいち早く増資のウワサをつかんだ人は、空売りに走ります。
これが増資で株価がすぐに下がる大きな原因です。
増資発表前後の空売りは、必要以上に株価を押し下げてしまうので、アメリカでも様々な規制を掛けようとしていますが、なかなかいい方法がないのが現状のようです。
ただし個人投資家には空売りができない銘柄もたくさんありますから、増資発表後に下げ止まった株を狙うという儲け方もあります。
たとえば下の図は増資が発表された銘柄の日足チャートですが、下げ止まったところで買っておけば、儲けが出るという算段ができます。
増資発表前後の株の動き 日足チャート例
もちろん増資後に下げ止まっても、株価が上がるとは限りません。
普段からアップダウンを繰り返している銘柄なら上がりますが、普段から殆ど株価が動かない銘柄は、下がったまま動かなかったりします。
下落トレンドに入った株は、投資家が売って逃げてしまって、相対的に売買量が減りますから、3ヶ月か半年くらいは、なかなか上がりません。