高値期日(たかねきじつ)で株が下がる?
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株価が上がらない原因には色々ある。
株式投資ニュースなどを見ていると、たまに信用高値期日とか「期日向かい」と言う専門用語が出てくるときがあるが、これも株価が上がらない原因だ。
信用高値期日というのは、株価が高い時に買い建てた信用買いの返済期日のことである。
信用取引には制度信用と一般信用の二通りあるが、制度信用の方が利息が安いので制度信用で買建てる人が多い。
ところが制度信用では、返済期限が6ヶ月と短いので、意外と返済売買せずに期日を迎えてしまう。
このとき、あまり大きな評価損を抱えていなければいいのだが、日経平均が高値を付けたあと、ダラダラと下落トレンドに入ったりすると半年たっても株価が回復せずに、信用高値期日を迎えたりする。
そうなると制度信用で株を買い建てた投資家は、途中で利益確定・利食いができなかったもんだから、高値期日が近づくにつれて、どこかで損切り・ロスカットしないといけなくなる。
なのでちょっと株価が上がったらすぐに売りが出て株価が下がる。
ちょっと株価が上がりかけたら、またすぐに売りが出て下がる。
こういう事が繰り返されて、高値期日直前には株価がどーっと下がったりする。
「ポジション解消売りで、上値が抑えられる」なんて言う表現も、よく聞くね。
【図解】高値期日のせいで株価が上がらない
株価が思ったように上がらない原因の一つの、信用高値期日とは、具体的にどんなものか。
下の図は、大手電機メーカーの2010年の週足チャートだが、見事に高値期日の影響が現れている。
こちらは(一つは隠れているが)左側に高い山が3つあって、ここで買い建てた建て玉は、半年たってもかなりの量が返済されなかったことが考えられる。
なにせこのチャートでは、上値を更新していないわけだから、高値の時に建てた建て玉は、売って利益を出すチャンスがない。
で、「もうちょっと上がるのをまとう」と思っていたら上がらずに期日が近づいて投げ売りになってしまった感じ。
その結果、移動平均線が右下がりに傾いている。
こうなると、高値期日が過ぎるまでは株価は上がらない。
一方こちらは、別の大手電機メーカーの同じ期間のチャート。
こちらのチャートでは、左半分に高値の山が一個しかなく、高値期間も短かったため、信用高値期日が近づいても、投げ売りされる建て玉の量が少なかったと考えられる。
移動平均線も右上がり気味だと、あまり影響がないって事らしい。